「中学受験をさせるかさせないか?」。
これは、親であれば誰もが悩む問題です。
親は子どもに受験をさせたいと思っても、
子どもは親の思うようには動いてくれません。
そこで、悩みは深くなる一方です。
まず、私立中学と地元の公立中学とでは、
何が違うのでしょうか。
はっきりわかる違いは、
教科書が違うということです。
現在発行されている全教科書の90%以上が
文部科学省検定済教科書です。
都内の私立中高一貫校の先生に、
教科書選定の流れを聞いてみると、
「各教科の先生が自由に選ぶことができます。
学校の教育方針や生徒にあった教材を選定し、
会議で話し合われ、校長が最終判断をします。」
とのことです。
また、検定教科書はほとんど使われていません。
中学生のうちから高校で習う範囲の学習まで
してしまいます。
例えば高校2年生の段階で、
高校3年間の内容を終わらせて、
高校3年生の授業を演習や
志望校対策に使うなど、
自由にカリキュラムを組めるのです。
教科書は使わず、担当教員が作成した
オリジナルのプリントなどで授業を行っている
学校もあります。
それに対して、公立中学・高校の場合は、
学校の設置者である都道府県や
市町村の教育委員会が、
どの教科書を使用するか調査研究を行い、
その地域、学校に最もふさわしい教科書を
採択します。
高校では、教科書の採択方法について
法令上具体的な定めはなく、
所管の教育委員会が、各学校の実態に即して
採択を行っているので、
各高校で使う教科書が異なります。
そのため、
中学校の教科書範囲からしか出題されない
公立高校受験に関しては、
志望校別の対策をする必要がありません。
(東京都立高の場合、日比谷高校など
進学指導重点校7校の場合は、
英・数・国の3教科の入試問題は、
各校独自問題が作成されています)。
東京都の場合、
公立中学は東京書籍の「NEW HORIZON」と
三省堂の「NEW CROWN」がほとんどです。
一方、私立中高一貫の進学校は、
検定外教科書のZ会の「NEW TREASURE」と
エデック社の「PROGRESS IN ENGLISH21」の
どちらかを使っているケースがほとんどです。
「検定教科書」と「NEW TREASURE」を比較すると、
「検定教科書」は中学3年間で約1,300語ですが、
「NEW TREASURE」は約3,300語です。
高校で学ぶ文法も含まれるので、
そのボリュームは2倍以上です。
そのため、私立校に入学すると、
英語の進度の速さと圧倒的なボリュームに
苦戦する生徒が多いようです。
公立中学では、数学の教科書は、
地域によって異なります。
私立では、数研出版が中高一貫校用に編集した
検定外教科書の「体系数学」を
採用しているところが多いようです。
桜蔭中学校もその一つです。
公立中学3年間の範囲を、
ほぼ中学1年生の1年間で終了する
ペースの学校もあります。
英語同様早いスピードで
難しい内容を学びますので、
理数系の進路をお考えのお子さまは
力がつくでしょう。
それでは、検定済教科書は難関大学受験に対して
非効率なのでしょうか。
ある私立進学高校に通っている生徒は、
「東大受験が近づいてきた高校3年生の頃に、
実は“学校の教科書で授業を受けるのは
効率がいい”ことに気づきました。
先生が教科書をもとに、
重要点を強調して教えたり、
教科書には分かりやすい図が入っているので、
視覚・聴覚を使います。
効率は悪いかもしれませんが、
頭の残り方が全然違います。
ですから、深い先取りと基本からじっくりと
基礎力をつける学習の両方が必要です。」
このように、私立中高一貫校と公立中学とでは、
教科書も進度も速さも違います。
こうしたことが
大学合格実績の違いの大元になっています。
但し、このように進度が速く量が多いことで
「内容が何にもわからない」
生徒が出ていることも事実です。
幼少期においては、
右脳開発などを一生懸命やるなどして、
記憶力や理解力などの『素地力』を
きちんと身に着けておく必要があります。
ヘーグルの卒業生は、
私立中高一貫校に進学して、
さらに大きな成果を上げています。