多くの中学受験塾の『受験算数』カリキュラムは、
つるかめ算や旅人算などの公式を覚えて
問題を解く方法で教えるようになっています。
つまり、問題の解法を演習によって
徹底的に覚えるという手法です。
そして、毎週のテストでそのやり方を
習熟したかどうかをチェックします。
たしかに、この方法は一見合理的にみえます。
それらの最たるものは、「はじき」です。
「は」=速さと、
「じ」=時間を分母に置き、
「き」=距離を分子に置き、
分子÷分母となるのが
「き」距離÷「じ」時間=「は」速さ、
「き」距離÷「は」速さ=「じ」時間、
分母同士は掛け算になりますので、
「は」速さ×「じ」時間=「き」距離となります。
「速さ」は、子ども達がなかなか理解しにくい単元で、
どうしても式を混同してしまい、やむを得ず
このような図解での公式を覚えさせ、
問題を素早く解く方法を教えます。
なぜならば、すぐに得点できることが必要とされる
週礼テストがあるからです。
ここで考えてみてください。
①これからの時代は、
どのような時代になっていくのか?
②中学受験の上位、最上位校に
合格できる学力とはどのようなものか?
③中学、高校で自立学習ができ、
さらに伸びる力をどう育てるか?
④大学入試、大学入学後
そして社会人となった時に
さらに飛躍できるようにするには?
以上、4点のことを考えると、
短絡的にすぐ得点できるように教え込むことが
果たして子どものためになっているのか?
という疑問がわきます。
①これからの時代は、
AI=人工知能が台頭してくる時代です。
答えのある問題を解くことは、AIが得意とすることです。
そのような作業は、どんどんAIにとって代わられます。
人間は、AIが不得意とする独創性や問いを作る、
さらに本質を深く掘り下げ、人を動かし、
巧みなコミュニケーション能力を
発揮することが求められます。
この①だけを考えてみても、
これからの時代に対応できる子を育てるには、
「なぜそうなるのか?」ということをとことん考え、
試行錯誤を繰り返しながら、
次第に物事の本質を深く考えていく習慣を
身につけることが重要です。
たしかに「型」を覚えれば、
問題を解く時間は短縮されるでしょう。
しかし、それと同時により深く考えるということが
まどろっこしく思えてしまうようにもなります。
MEPの卒業生で東大理Ⅰに進学したS君は、
中学受験で早稲田中学に合格した時にこう言いました。
「ぼくは、MEPで受験してよかった。
毎週のテストに追われることなく、のびのびと勉強ができた。
特に、○○算のような公式を覚える形で
問題を解くのではなく、
一つ一つの問題をどうしてこうなるのかということを
深く考えながら問題を解く姿勢を身につけることができた。
あとで〇〇算があることを知った時、
そんな方法で解いていたら、頭が悪くなったんじゃないかと思う。
東大受験の時も、MEPで身についた思考法が
とても役に立った」と。
子どもは、大人よりも冷静に
物事を見ているような気がします。
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